気が強い女性がお好き?②(Discovery14)エジプト

カイロからルクソールへ向かう、夜行列車の中。

水浸しになった座席を与えられ、車両中のエジプシャンを巻き込み、大議論勃発!多勢に無勢、四面楚歌えーん

座席争奪戦の行方ははてなマーク

このお話は、昨日の話の続きで、今話で完結します。

* * * * * *

さて、翌朝。

あの水浸しの座席には、あの初老の男性が座っているではあるまいか!

誰かが提供した段ボールを敷いて。

コンダクターがなぜ座っている?

わけがわからない。

ことの一部始終を見ていた(と思われる)、乗客の一人、英語を話せる男性がやってきた。

「お嬢ちゃん、昨日は大変だったね。ぐっすり眠れたかい?」

「おかげさまで」

(ぐっすり眠れるわけないでしょ!怒 皆で寄ってたかって私をいじめて)

「ところで、あの人結局私の席に座っているみたいだけれど、なぜ?」

「お嬢ちゃんが、席を取り上げたんじゃないか」

「はあ?私は水浸しになった席には座りたくない、とコンダクターに苦情を訴えただけよ」

「彼は、乗客だよ。自分の指定席に座りたかったのに、お嬢ちゃんが譲らなかったんだよ」

えっ、まさか!?

そ、そういうこと!?電球

「なぜ制服着ているの?」

「制服じゃないよ。確かに制服っぽいけどね」

「昨日切符をいっぱい持っていたじゃん」

「それは知らないけれど」

どうしよう。悪いことをしてしまった。

「ずっとコンダクターだと思ってたの。ごめんなさい」

彼が私の言い分を車両の乗客に説明している。

車両は大爆笑の渦につつまれた。

水浸しの座席に座った「コンダクター」は、私が外国人女性で何も理解していない様子だったから諦めたとか。

「コンダクター」は、すかさず「通訳」を通して言う。

「お嬢ちゃんのこと好きになっちゃったよ。農業をやっているけれど、大きな農園をいくつか持っていてこう見えてもお金持ちなんだ。だから、結婚しよう」

はあ?

でも、これは中近東ではお決まりのパターン。

すぐに結婚だのなんだの言いだす。

そして、ほぼセットで自分の経済力をアピールする。

「最初から席を譲ってくれてたら、結婚しても良かったけどウインク

と答える。

すると、「通訳」が

「それなら、私はどうだね?大学で工学を教えている。英語もばっちりだ」

「教授より、学生のほうがいいわ」

「それなら、僕が立候補する。大学で建築を勉強している」

「その年齢で、私を第一夫人かつ生涯唯一の夫人にする覚悟があるなら」

「それなら、私がぴったりだ。妻は1人でいいし、お金も持ってるよ。あなたは私の好みだ」

僕も、俺も、私もと老若問わず、プロポーズ大合戦が勃発した。

隣のお兄ちゃんがポテトチップスをくれ、前の座席のおじさんがクロワッサンをくれた。

ビスケットを持ってきてくれた人もいた。

皆友好的でとっても愉快な人たちだった。

ルクソールに着くまで笑いが絶えず、到着したときは、皆でお別れを言い合ったほど。

二等車両は、常に地元の人たちで溢れています。

一等車両では味わえない楽しさもあるのですよウインク

矢印ルクソール神殿 昼も良いけど夜のライトアップもステキですキラキラ

北キプロスのカルパス半島に生息する野生のロバたち。

ニンジンをあげると喜ぶんです!

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