ここは、北キプロス(正式名称は北キプロス・トルコ共和国だが、国際的には非承認)の東海岸に位置するファマグスタ。その歴史はアルシノエという小さな漁村だった紀元前300年頃まで遡る。
前回までのお話はコチラ:
1) 何かが始ろうとしている?
3) あなたは天使のよう…
4) 夕暮れ時のモスクに到着
6) 響き渡るコーラン『響き渡るコーラン(復習(^_-)-☆とクイズの答え合わせ☆)』ここは、北キプロス(正式名称は北キプロス・トルコ共和国だが、国際的には非承認)の東海岸に位置するファマグスタ。その歴史はアルシノエという小さな漁村だった紀元前…ameblo.jp
今回のお話はこちらから
イマームは「あなたのためにコーランを唱えよう」と言い、コーランを唱えた。
https://static.blog-video.jp/?v=usoKhCPnb5VS5k0uBLvzIxHJ
その一部(アメブロはめ込み可能な1分間)
もはや、寝転がっている場合ではない!
私は立ち上がり、彼の歌声(でなくて、コーラン)をBGMに、教会内(でなくて、モスク)の様子を撮り続けた。
イマームが唱えたコーランは教会(もとい、モスク)に響きわたった。
コーランが終わっても、私はしばらくその余韻に浸っていた。
しかし、よく耳を澄ますと、教会のドアを叩く音がしていた。
ドンドンと叩き続ける様子は、明らかに中に誰かがいることをわかっていて、ノックの主は何かを伝えたがっているようだった。
「だれだ? こんな時間に?」
こんな時間というほどには、遅くない。
しかし、日没後の今、教会(モスク!)はすでに閉められており、本来なら開ける必要もなかったわけだが、イマームと私は、ドンドンとドアを叩き続ける音が気になり、ついに立ち上がった。
「仕方ない。誰だか見てくるとするか」
イマームは入り口のドアへ歩いていった。
しばらくすると、ヨーロッパ人と見られる女性2人が教会(だから、モスクだっちゅーの!)に入ってきた。
彼女らは、まっすぐに祭壇を目指し、距離を置いて座り込んだ。
どうやら、瞑想に入ったようだ。
教会(←彼女たちに合わせて)には再び完全なる静寂が戻っていた。
イマームと私は、ストーブの前で静かに話し続けた。
瞑想にふける女性たちは、30分たっても瞑想をやめなかった。
「ただですら、閉まっているモスク(←イマーム的)に強引に入ってきて30分も瞑想し続けるとは、困ったものだ」
イマームが言った。
さらに、10分の時がたった。
「もう家に帰らないといけない。
子供の世話をしなくてはならないんだ」
ストーブの前で話している間にわかったことだが、彼には14ヶ月の息子がいた。
夜は、奥さんにかわって子供の面倒を見るのが日課だという。
「帰ってもらいたいんだが、瞑想中だし、どう伝えたら良いのだろう?」
イマームが私に聞いた。
ん?
そのまま伝えたら、良いのでは??
「放っておいたら一晩中瞑想しているかもしれないから、声をかけて、子供の世話をする時間だから家に帰りたい、と言えば良いと思うけど」
瞑想の邪魔をするのは申し訳ないと思うが、そもそも“モスク”(えへっ)はキリスト教徒が瞑想するための場所ではないし、すでに閉まっていたモスクに強引に入ってきたのは彼女たちだし、文句はないはずだ。
「ねぇ、僕にかわって、そう伝えてくれない?」
イマームが言った。
「え?私が?」
「うまく伝える自信がない」
まぁ、いいけど・・・・
次回へつづく・・・
北キプロスのカルパス半島に生息する野生のロバたち。
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