カイロからルクソールへ向かう、夜行列車の中。
水浸しになった座席を与えられ、車両中のエジプシャンを巻き込み、大議論勃発!多勢に無勢、四面楚歌
座席争奪戦の行方は
このお話は、昨日の話の続きで、今話で完結します。
* * * * * *
さて、翌朝。
あの水浸しの座席には、あの初老の男性が座っているではあるまいか!
誰かが提供した段ボールを敷いて。
コンダクターがなぜ座っている?
わけがわからない。
ことの一部始終を見ていた(と思われる)、乗客の一人、英語を話せる男性がやってきた。
「お嬢ちゃん、昨日は大変だったね。ぐっすり眠れたかい?」
「おかげさまで」
(ぐっすり眠れるわけないでしょ! 皆で寄ってたかって私をいじめて)
「ところで、あの人結局私の席に座っているみたいだけれど、なぜ?」
「お嬢ちゃんが、席を取り上げたんじゃないか」
「はあ?私は水浸しになった席には座りたくない、とコンダクターに苦情を訴えただけよ」
「彼は、乗客だよ。自分の指定席に座りたかったのに、お嬢ちゃんが譲らなかったんだよ」
えっ、まさか
そ、そういうこと
「なぜ制服着ているの?」
「制服じゃないよ。確かに制服っぽいけどね」
「昨日切符をいっぱい持っていたじゃん」
「それは知らないけれど」
どうしよう。悪いことをしてしまった。
「ずっとコンダクターだと思ってたの。ごめんなさい」
彼が私の言い分を車両の乗客に説明している。
車両は大爆笑の渦につつまれた。
水浸しの座席に座った「コンダクター」は、私が外国人女性で何も理解していない様子だったから諦めたとか。
「コンダクター」は、すかさず「通訳」を通して言う。
「お嬢ちゃんのこと好きになっちゃったよ。農業をやっているけれど、大きな農園をいくつか持っていてこう見えてもお金持ちなんだ。だから、結婚しよう」
はあ?
でも、これは中近東ではお決まりのパターン。
すぐに結婚だのなんだの言いだす。
そして、ほぼセットで自分の経済力をアピールする。
「最初から席を譲ってくれてたら、結婚しても良かったけど」
と答える。
すると、「通訳」が
「それなら、私はどうだね?大学で工学を教えている。英語もばっちりだ」
「教授より、学生のほうがいいわ」
「それなら、僕が立候補する。大学で建築を勉強している」
「その年齢で、私を第一夫人かつ生涯唯一の夫人にする覚悟があるなら」
「それなら、私がぴったりだ。妻は1人でいいし、お金も持ってるよ。あなたは私の好みだ」
僕も、俺も、私もと老若問わず、プロポーズ大合戦が勃発した。
隣のお兄ちゃんがポテトチップスをくれ、前の座席のおじさんがクロワッサンをくれた。
ビスケットを持ってきてくれた人もいた。
皆友好的でとっても愉快な人たちだった。
ルクソールに着くまで笑いが絶えず、到着したときは、皆でお別れを言い合ったほど。
二等車両は、常に地元の人たちで溢れています。
一等車両では味わえない楽しさもあるのですよ

ルクソール神殿 昼も良いけど夜のライトアップもステキです

北キプロスのカルパス半島に生息する野生のロバたち。
ニンジンをあげると喜ぶんです!
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