ここは、北キプロス(正式名称は北キプロス・トルコ共和国だが、国際的には非承認国)、東海岸にある港町ファマグスタから北東へ10キロほどの所に位置する、古代都市サラミス。その歴史は古代ギリシャ時代まで遡る。
2) 古代円形劇場でした!
3) ゆるゆるの入場ゲート
4) いきなり度肝を抜かれた!
5) なぜ、頭がないのか?
6) 古代のお風呂
7) 古代のトイレ事情
8) まさかの使いまわし?
9) 古代ギリシャといえば!
10)サラミス遺跡の住人
11) 古代の床暖房システム
12) 下を向いて歩けば・・・
14) ない!ない!ジャケットがない!
17) 今行けば、間に合う!
18) How stupid!
19) 旅は道連れ
22) 聖エピファニオスって誰?
25) まさか、こんなところで?
26)役にたたない地図
27) お手上げ!
28) 北キプロスで遭難者となった日
29) もしかして、こここそが??
30) 迎えを手配します!
32) キプロス時間
33) 地図ひとつで旅は変る!
今回は、ここから
それは、翌日のことだった。
私の旅はいよいよ終盤を迎えていた。
私は必要なお土産を買いに行ったり、完全に自分の部屋と化したホテルのクロゼットや洗面台周りを整理し始めたりしていた。
夕方、ホテルの向いのヘアサロンで髪を洗ってもらい、次の約束に遅れないように、急ぎ足でホテルに戻った。
この日がホテルでの最後のディナーになることを知ったレストランのマネージャーがディナー・ビュッフェに招待してくれていたのだ。ラッキー✨
私はエレベータのボタンにカードをタッチさせ、エレベータを待った。
そこへやってきたのが、背の高い国籍不詳の男性だった。
後でわかることだが、彼の名はトンチュ。
旅行業界で働く、何か国語も操るキプロス人男性だった。
「休暇ですか?」
トンチュが声をかけてきた。
「はい」
「どのくらいいるのですか?」
「2週間です。明後日帰国します」
そんな会話が始まったところで、エレベータがやってきた。
「あなたは?」
「私は、ツアーガイドをしています」
「そうなんですか!昨日サラミスに行ったのですが、ガイドさんがいたら良いなと思うことが何度かありましたよ」
「そうでしたか!私も、昨日サラミスに行きましたよ」
「それは、偶然ですね」
なんと、ホテルのエレベータで出会った男性がツアーガイドで、同じ日に同じ場所にいたというのだ
「ドイツ人グループのお世話をしていましたよ」
「ドイツ人グループですか?」
ドイツ人団体旅行客……?
「あれ?もしかして、白いジャケットを見かけましたか?」
「白いジャケット?」
「私、サラミス遺跡で白いジャケットを失くしてしまったのです」
「え?まさか?」
エレベータはとっくに私の階へ到着し、2人の会話はエレベータ前の通路に出てもなお、続いていた。
トンチュが私の階より上に宿泊していたのか、下だたのかは今となっては覚えていない。
「そのジャケットは見つかったのですか?」
トンチュが私に尋ねた。
やはり、彼は私のジャケットのことを知っているようだ。
「はい。ドイツ人グループが“預かってくれている”(←ものは言いよう)ことがわかって、バルバナス修道院で受け取ったのです」
「あぁ、よかった!」
そして、彼は続けた。
「もしかして、このジャケットはあなたのものですか?」
彼は、スマホの画面を開いて私に見せた。
それは、まぎれもなく私のジャケットだった。
バーナードが言っていたとおり、石壁に吊るされた、私のジャケットだった。
彼は、言っていた。
「何人かの人が、写真を撮っていましたよ」
トンチュもそのうちの1人だったというのか!
「あぁ、これ、私のジャケットです!!」
「えぇ?こんな偶然があるものか?」
「すごい偶然ですね!」
「私は、SNSで拡散したんだ!何人かが同じように、拡散していたんですよ。持ち主に届くようにって!」
「まさか、こんなところで、持ち主さんに出会うとは!」
「バルバナス修道院にジャケットが持っていかれたことは知らなかったけれど……」
「本当にすごい偶然ですね!」
私達の会話は留まるところを知らなかった。
しかし、すごい偶然があるものだ。
だから、
旅は楽しすぎて、やめられない!
お・し・ま・い
長い間おつきあいくださり、ありがとうございました
サラミス遺跡シリーズの最終回でした
今回の旅・北キプロス「リアルタイム日記」(2月17日~3月3日)をこちらにまとめました。1日1枚とさらりと日記という構成です
1) いきなり、ガーン!!
2) またしても、ガーン!!
3) 心臓が破裂するぅ~!
5) やっぱり、トルコじゃん!
10) バターは、乳搾りから!
11) やっっぱり好き!旧市街
13) これ、絶対に偽物だよね?
14) Back in Japan!! 成田-名古屋便がプロペラ機だった
北キプロスのカルパス半島に生息する野生のロバたち。
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