1991年8月ロシアがソビエト社会主義共和国連邦(ソ連)と呼ばれていた頃のこと。
「ゴルバチョフ大統領が暗殺された。戦争が始まる」と噂され、街中には戦車が待機、軍隊が導入され、ソ連崩壊へとつながるクーデターが起きた、あの日（8月19日）、私はモスクワにいました・・・。
※ このシリーズは、2020年6月から週に1回のぺースで投稿した記事の一部に手を加えたり、未公開画像をそえたりしたものです。
1) なぜ、今さらソ連!? ロシア旅？「その場で飲んでください！」
こんな時になぜロシア？と言われる方もいると思います。それはこの号に
3) 出発前から面倒くさい！➀
4) 出発前から面倒くさい！➁
5) 出発前から面倒くさい！③(完結)『ソ連時代のロシア旅：出発前から面倒くさい！③(完結)』1991年8月ロシアがソビエト社会主義共和国連邦(ソ連)と呼ばれていた頃のこと。「ゴルバチョフ大統領が暗殺された。戦争が始まる」と噂され、街中には戦車が待機、…ameblo.jp
第6話：「両替はできません！」←「する気はありません」
昔むかしルーブルと言ったら、高額通貨でした。
1ルーブル＝260円
ドルやポンドよりずっと高かったのです。
私が旅した1991年8月には、すでにこのレートは10分の1に切り下げられていましたが(10分の1ですよ！10分の１
)、
航空券やホテルの宿泊費など日本からインツーリスト(国営にして唯一の旅行会社)を通して支払うものは、公定レート(旧レート =１R = 260円)で計算されていました。
上から、５R、１０R、２５R。
時の大統領ゴルバチョフの政策により、1991年1月より５０Rと１００Rが無効となり、私が旅した8月時点では写真の２５Rが最高額の紙幣でした。
ということは・・・！！
ビザの申請のために必要な、訪問都市間を結ぶ移動にかかる費用（空の便と陸の便）とホテルの宿泊費以外は、現地で調達するのが得ということになります
インツーリストでは、宿泊費や交通費だけでなく、
☑ 空港からホテルまでのトランスファー
☑ 通訳ガイド
☑ タクシー
☑ イベントの入場券
などを申し込むことができますが、
インツーリストを通せば通すほどお金がかかります
そんなの、イヤだ！！
ということで、ホテルの宿泊バウチャーのみ持ってやってきましたソビエト社会主義共和国連邦(長っ)、最初の訪問都市ハバロフスク。
当時ハバロフスクで外国人が宿泊できたのは、ホテル・インツーリストのみ
１泊2万円くらいだったと思います
サービス内容を考えると激高でした
空港を出たら、まずタクシーをつかまえなくてはなりません。
しかし、これが簡単なことではなかったのです
なぜなら・・・
まず、空港の両替所は、
「時間外だから両替できません！」
どれだけ短い両替時間なのっ！！
国際線の到着時のみ窓口が開くと聞いていましたが・・・。
私、今到着したばかりですよ！！
なのに、もう時間外とは！！
当時ルーブルはソビエト国外では両替できないと定められていたため（ちなみに、国外からの持ち込みも禁じられていました）、
手持ちルーブル０(ゼロ)です。
ルーブルがないことには、街に出られません
そこへやってきたのが、インツーリストの係員。
「20USドルでホテルへ行けますよ」
”両替できなかった”外国人たちに声をかける仕組みになっていたのでしょう（＝最初から両替所は閉ざされていて、20USドル獲得するのが狙いだったのかも？？）
当時は”外貨獲得政策”（正式名称は忘れました)というものがあって、それに則った仕組みだったのかもしれませんが、
はぁ？
20ドルも？
たまったものではありません！
空港からバスを使えば、
かかって数十円、たぶん数円のはずです。
しかし、街に出られないことには始らないので、
20ドルで行きましたよ
たったの10分くらいの距離を・・・
ハバロフスク(1991年)
ここで１つわかったことがありました！
インツーリストは、空港と市街のトランスファーを国内一律16(18だったかも？)ルーブルとしていたのです
（モスクワのみ23R/25R?）
どの都市でも、その空港から市街までの料金は16ルーブル！
空港と市街が10キロ離れているところも、20キロのところも一律16ルーブルなのです。
これぞ、ザ・社会主義国！
距離はまったく関係なし！
さて、16(18？)ルーブル＝20USドルということは・・・
ルーブルの商用レートです！
ロシア到着早々遭遇しました、商用レート。
ややこしい話ですが、当時のロシア(ソビエト)には、両替レートが3つあったのです。
☑ 日本から現地へ支払うときのレートは１R＝260円
☑ 現地でインツーリストなど商用として支払う場合は１R＝80円
☑ 現地で両替すれば１R＝24円
☑ ヤミ両替１R ＝ ？ （違法です）
どのレートで計算されるかによって、旅の総費用がものすごく違ってきます。
まさに、ロシアンルーレットΣ(￣□￣|||)
最高額の２５Rは、公定レートなら約6500円、商用レートなら約2000円、実勢レートなら600円となります。すごい、違い！
そして、国営にして唯一の旅行会社インツーリストは自国通貨を受けつけないので、どちらにしても外貨で支払うことになります。
日本でこのインツーリストによるトラスファーを申し込んでいたら
16R＝4,160円(260円×16)だったはずなので、20ドル(当時のレートで約2700円)ならまだいいほうか・・・
諦めが肝心！
20ドルをインツーリストに支払いました。
そして、ホテル・インツーリストへGO!
しかーし、
さらに腹立たしいことが待っていました
ホテルに到着してすぐに両替をお願いすると、
「できません」の一点張りなのです
はぁ？
確認しますけど、ここ、唯一外国人が泊まれるホテルで、
空港を除いて唯一の両替所なんですよね？
ってことは？？
外貨で支払い続ける限り、かなり割高な旅になってしまうではありませんか！！！
飲食も？
まさか！？
空港かホテルでしか両替できないシステムだったのに、どちらも両替できないと言い切るロシア！！もとい、ソビエト。
すべて、国営なんですよぉ！！
これ、たまりません！！！
結局、ハバロフスクにいる間はすべてドル払いとなり・・・
相当むかついたのか、当時作成したアルバムにはこう書かれています
「なんか変！どこに行っても、皆外貨を欲しがる」
「ドル払いは不当に高いので、街を歩いて回った」
「ここには大した観光名所なし」←言い切ってる！歩いて回った範囲しか知らないくせに
残念ながら当時のことを詳しく書いた旅手帳はなくしてしまいましたが、
アルバムにまで怒りを書いたということは、相当怒っていたのだと思います。
若かったなぁ～
でも、だって・・・
当時の外貨両替は空港かホテルと決められていたのに、どちらもが拒否したのですよ。
どちらも、国営。
こんなのってありですか！？？
北キプロスのカルパス半島に生息する野生のロバたち。
ニンジンをあげると喜ぶんです！
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