#旅の思い出– tag –
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まさかの崩壊~ソビエト脱出劇~③(Discovery7)
・・・つづき まわり回って空港についたときには、 私の飛行機はとっくに「空の物体」になっていた。空港は、モスクワを一刻も早く離れたい外国人で ごった返し、 「ゴルビー(ゴルバチョフ元大統領)は 暗殺された。戦争が始まるらしい」 というデマが飛び交... -
まさかの崩壊~ソビエト脱出劇~②(Discovery6)
・・・つづき 言うまでもないが、 そんなことは絶対にしてくれない。 しかし、ホテルの手配もインツーリストが 全て牛耳っているのだ。 そのインツーリストが、間違った飛行機とホテル の予約をしたのにもかかわらず、 知らぬ存ぜぬでは、腹立たしい限りだ。 ... -
まさかの崩壊~ソビエト脱出劇~①(Discovery6)
1991年8月、私は旧ソビエトを旅していた。 日本に帰る、というその前日、 モスクワの様子はすでにおかしかった。 戦車らしきものが街なかに停まっているのである。 それも、1台や2台ではない。 旅の終わりに、しばらく北欧の... -
ガンガーと共に生きる②(Discovery5)
・・つづき 火葬場が近づくにつれ、煙と異臭が私を襲った。 引き返そう、と何度もためらったが、 私の足は思考に反して、火葬場に近づこうとする。 布に包まれた遺体は親族によって担がれ、 狭い路地を抜けてここへやってくる。 布や装飾品のありかたで現世... -
さらばエスパニョール③(Discovery 4)
・・・続き たったの2週間でスペインを去ってしまったのは、 今考えるともったいない話だ。 この国の歴史的遺産を堪能するには、 20週間いても足りないくらいだと思う。 いくら「病」に侵されたとはいえ、 もう少しいてもよかったのではなかろうか。さて、... -
さらばエスパニョール②(Discovery3)
…続き 車内だというのに、 ローラースケートでゴロゴロ移動するわ、 あっちでガンガン、こっちでガンガン、 隣のグループに負けるものか、 とラジカセの音量を最大に雑音(失礼!)を 垂れ流している。 その賑やかなグループの大半は 中学校の遠足御一行と... -
聖夜の奇跡② (Discovery2)
彼らが同棲を始めて5年目のクリスマス、 当時の仕事を休職してドイツに留学していた私は 二人に招かれ、彼らとともに休暇を過ごした。 天井に届かんばかりのもみの木は 純白のデコレーションに身を包み、 その足元には大小様々なカラフルな包みを並べてい... -
聖夜の奇跡① (Discovery 2)
旅は気まぐれに、 普段の生活からは考えられないような、 素敵な奇跡を見せつける。 ドイツが最もドイツらしくなるクリスマスイヴの夜、 私は背中に羽のはえた天使を見たような気ですらするのだ。 もみの木を飾る習慣は、ドイツで生まれた。 クリスマスが... -
一発大逆転②
気の毒に思わなくもなかったが、 ここで1人に小銭をあげたら 全員にあげなければならない。 昼は10人程度だった子供たちも、 なぜか20人を裕に越えている。 「だから言ったでしょ。 私の後を付いて回っても何も出てこないって」 すると、年長の少年がすか...
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