私が、アラビア半島の東端に位置するオマーンを訪ねたのは2007年でした。
今でこそ観光にも力を入れている(ように見える)オマーンですが、当時はまだ観光客を受け入れる体制ができていませんでした。
世界の常識が通じないのか?と思うほどの破廉恥行為を受けること多々、女一人でのこのことやってくるようなところではありませんでした
そんな頃のオマーン旅から、『アラブ純情物語』と題して、オマーンでのちょっとドキドキなエピソードを綴っています。
※「アラブ純情”物語”」は、100%ノンフィクションですあくまでも、物語”風”記事です
これまでのストーリーはこちらです
まえがき)過酷なオマーン旅(2007年)
1) 近づいてきたアラブ男
2) 売春宿にされたら困るので
3) これは策略か?
4) 紳士か策士か?
6) とりあえず、30リアル
8) 謎の男が現れた
9) 謎の男の正体
10) 肝心なときにいない男
11) 戻ってきた男たち
12)不機嫌な男『不機嫌な男 (オマーン)』昨日の『私にスペイン語の翼をくれた人』にたくさんのあたたかいお言葉をくださり、感謝しています。皆様のお言葉に癒されました。今しばらくは喪失感を拭えませんが、仕…ameblo.jp
砂漠のオアシスのお城ニズワ・フォート(城砦)から見た隣のモスク
(フォート内の写真は、2号前の記事に掲載しています!)
第13話: 私を降ろす?
イメージです:画像はネット界よりお借りしてきました
「あいつは、何か言っていなかったか?」
車を停めたバダルが言った。
「いや。別に」
まあ、一応食事に誘われたが。
You are beautiful.とも言われたが。
内緒にしておこう。
怒り狂うに違いない。
バダルは、言った。
「あいつは、君のことを気に入っていた」
・・・でしょうね。
「I want her. と言ったんだ!」
イスラム圏では、少し会話をしただけで「結婚しよう」と言われたことが何度もある。
裕福な男性は、具体的な契約事項(結婚保証金の額など)を話し始めたりもする。
オマーンでは、他のイスラム諸国と同様、4人まで妻を娶ることができる。
仮にザフランが同様のことを言ったとしても、驚きはしない。
オマーンでは、特別の事情を除き、外国人との結婚が禁じられているが…※
しかし、初対面同士でこんな会話をするものなのか?
文字通りのI want her.なのか、バダルの英語力の問題なのか、バダルの嫉妬がザフランの言った別の言葉をデフォルメ(意識的に変形)しているか、どのようなシチュエーションで言ったのかもわからないので、私は取り合わないことにした。
バダルは、自分のいない隙に私を“手に入れようとした”ザフランに対する怒りと嫉妬、他の男性の車で自分の帰りを待っていた私に対する怒りを抑えきれないようだ。
「なぜ、あいつの車で待っていたんだ・・・」
バダルは悲しげに言った。
このときのバダルは、今にも泣き出しそうな顔をしていた。
そもそも事の発端はインド人に絡まれたことだった。
難を逃れて、駐車場を去ったところでザフランが帰ってきたのだから、私は自然な流れで彼の車に乗り込んでいる。決して「暑かった」からだけでもなければ、ザフランが「外は暑いから」と誘ったからだけではない。
そこから説明すれば私の“潔白”は晴れるだろうが、彼が別の怒りや憤りを覚えることが予想される。
イスラム社会は、男性中心で回っている。
イスラム圏の中でもオマーンは保守的な国だ。
男性が女性を自分の“もの”のように思っているところがある。
自由恋愛が許される(というのか、当たり前の)国からやってきた私にしてみたら、彼らの恋愛経験は非常に少ない。
女性に対して、“国際基準的に”どう振る舞ったらよいかなど、わからないこともあるのだろう。
「心配してくれて、ありがとう」
何を言ってもややこしくなるだけなので、私は彼の怒りを鎮めることだけを考えて、言った。
嫉妬や怒りではない。100%心配だから、そんな振る舞いをしているんだよね?
ということにしておこう・・・
「あいつの電話番号をもらっているよね?」
は?
(この展開は、なに?)
「知らない」と白を切ればよかった。
それがバダルが期待していた答えだったのだろう。
(後になってそう思ったが、渦中にあるときは気づけないものだ)
しかし、ザフランが「何かあったら、彼女がもっている番号に電話してくれ」などと(バダルに言うはずはないが)、もし言っていたとするなら、私を「嘘つき」となじるだろう。
目には目を!ではないが、イスラムの男性は女性に厳しい。
「何番だ?」
ザフランに迷惑をかけなくはないが、怒りが収まらないバダルはザフランに一言言いたいだけなのかもしれない。
ザフランにしてみたら、バダルと私はただのタクシー運転手と乗客の関係に過ぎない。
そのタクシーの運転手が執拗に乗客に迫っていると知れば、警察と同等の権限を持つ王宮警護官として気にとめておくかもしれない。
あとは、2人に任せよう。
私は、手帳を開きかけた。
すると、バダルは私の手帳を取り上げ、
「返して!」という私の声を無視して、ザフランの電話番号をボールペンで塗りつぶした。
嫉妬に狂った男女のいずれかが相手に「目の前で携帯番号を消去させる」のに似ているのかもしれない。経験はないが💦
それでも、バダルの怒りは収まらないらしく、私の手帳のそのページを破ろうとした。
「やめて!」
私は、手帳を奪い返した。
裏面には何か大切なことが書いてあったかもしれないし、いくらなんでもやりすぎだ
“You can drop me off if you want.”
(私を降ろしたら?)
次回へつづく・・・
※印をつけた、オマーンの特殊な結婚事情について書く予定でいましたが、時間とスペース?の関係で次回にしたいと思います!
※印をつけたら、その記事内に書けよ!という感じですが
オマーンの旅、なかなか手強い旅でした
外に出るときは、頭にスカーフを巻き、くるぶしまで隠れるスカートを穿いていました。
毎日同じ格好・・・
お手間でなかったら(ちょっとお手間でも?)
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オマーン人女性は、顔もすべて覆う(お化けのQ太郎のように)ので、ニセモノもいいとこ
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