J家のマナーレッスン①(Discovery11)

Discoeryシリーズ第11章は、

10代後半、ドイツ人一家ドイツとオーストリアポーランドを旅したときのエピソードです。

私の地球歩きの原点は、ここにあるのかもしれません。

*********

「お口に合わなかったかしら……」

とても悲しげに、ウエイトレスが尋ねた。

「おいしかったわ。

でもおなかがいっぱいになっちゃって……」

「まだ子供なんだ。

そんなに食べられないんだよ」

Jが取り繕った。

彼は私と1歳しか違わない。

そう、と笑顔を取り戻したウエイトレスが皿をさげた。

彼女はあでやかな民族衣装に身を包んでいる。

この村では、誰もが日常的に民族衣装をまとっている。

彼女もその例外ではなかった。

「子供なんて失礼ね。あのウエイトレスと比べたって、大して変わらないはずよ」

私はJをなじった。

「仕方ないだろう。こんな大田舎であんなにたくさん残したら、他にどんな言い訳を思いつく?」

あんなにたくさん、と言われるほど残した覚えはない。

「言われるほど残していないわよ。

毎回一生懸命食べているんだから。

日本を発ってから5キロも太ったのよ」

「5キロも太ってその体型なら、やっぱり子供だ」

Jは笑っている。

私は口を尖らす。

彼の両親が、まあまあ、仲良くしなさいよ、と微笑みかけた。

私がまだ10代の後半だった頃、Jと彼の両親の4人でオーストリアを旅したことがある。

と、言うと聞こえは良いが、実際はJの両親が無邪気に恋人ごっこを楽しんでいる未成年の息子とその女友達を旅行に連れだしてくれた、と言うところである。 

オーストリアのどこだったのか、今となっては思い出せないが、

ザルツブルクからそんなに遠くはなかったと思う。

コップルという村で何泊かしたことを覚えている。

辺り一面の草原には高山植物が咲き乱れ、教会の鐘の音が時刻を知らせてくれる、そんな村だった。

コップルからしばらく車を走らせたところにそのレストランはあった。

夕刻前だったせいか、客らしい客はいなかった。

Jと私のなじり合いと彼の両親の仲裁の他は、遠くで食器の音がするくらいだった。

つづく・・・

では、また明日ウインクCiao

北キプロスのカルパス半島に生息する野生のロバたち。

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