まさかの崩壊~ソビエト脱出劇~③(Discovery7)

・・・つづき

まわり回って空港についたときには、

私の飛行機はとっくに「空の物体」になっていた。
空港は、モスクワを一刻も早く離れたい外国人で

ごった返し、

「ゴルビー(ゴルバチョフ元大統領)は

暗殺された。戦争が始まるらしい」

というデマが飛び交っていた。

とにかく情報の届かない国である。

どこまで本当なのか、確かめる術もない。

人々の不安が事実を歪め、

その歪められた情報に人々は怯える。

「戦争?」「まさか」と何度も胸の内で繰り返す。

旧ソビエトで戦争に巻き込まれたら、

故郷へは生きて帰れますまい、

誰もがそう思ったに違いない。

各航空会社のカウンターには列を乱した人々が

群がっている。


予想はしていたが、

インツーリストの対応はあっさりしていた。
「次の飛行機に乗れるように手配するしかないわね」
「それはいつなの?」
「この様子だと、空席は来週までないかもね」
 

私は、それでは困る、と何度も主張した。

当時、公立の学校で教鞭をとっていたが、

1週間も遅く帰国したら、新学期が始まってしまう。

おまけに、空港内にある国際通話が可能な電話機は、

どれも故障しているではあるまいか。


「そちらの手違いなんだから、

なんとか明日の便に乗せてよ」
 

私はしつこく頼んだが、

「それは無理」

の一点張り。

状況から考えて、無理なのはわからないでもないが、

こうもあっさりと断られると、

簡単に引き下がれなくなる。

さらに食い下がりたくもなる。


「わかりました。明日の早朝、出直してください。

当日キャンセルがでたり、乗り遅れる人がいたら、

乗せてあげましょう」


半日がかりで、空港までやってきたのだ。

空港と市街を往復するのはまっぴらだった。

こんな状況下では、単純往復するだけで

朝になるに違いない。
 

「今晩宿泊する予定のホテルを

変更してくれる?」
 

嫌味のように、インツーリストの

バウチャーを見せ、間違いを指摘する。

つづく・・・

北キプロスのカルパス半島に生息する野生のロバたち。

ニンジンをあげると喜ぶんです!

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