・・・つづき
言うまでもないが、
そんなことは絶対にしてくれない。
しかし、ホテルの手配もインツーリストが
全て牛耳っているのだ。
そのインツーリストが、間違った飛行機とホテル
の予約をしたのにもかかわらず、
知らぬ存ぜぬでは、腹立たしい限りだ。
しかも、
日本を出発する前に予約と支払いを完了しなければ、
ビザも取れない仕組みになっていたのだ。
こうなってくると、怒りの矛先は自然と国家へと向く。
インツーリストに限らず、なにもかもが
国営なのだから、なおのことである。
「そうは言われても…。とにかく急いで空港
へ行ってください。乗り遅れたら、空港内
のインツーリストに相談してください」
私は急きょ、モスクワを発つ羽目になった。
「今日のホテル代、どうしてくれるのよ
(外国人の泊まれるホテルは日本並に高い)
お土産だって買ってないんだから。
自分の航空券を、前もって手にすることができない
仕組みなんて絶対におかしい。
いつか、この国は崩壊するわ」
あまりの腹立たしさに、
ぶつぶつ言いたくもなる。
私の苛立ちを知ってか知らずか、
空港に向かうよう頼んだタクシーまでもが、
全然違う方向へ走っていく。
「ぼったくろうったって、そうはいかないのよ。
回り道しないで、急いで。時間がないんだから」
腹立たしさはマキシマム。
私は、爆発寸前だった。
「今日は空港まで半日かかりますよ。
通行禁止令があちこちで出ているから」
タクシーの運転手は、平然と言う。
「とにかく、急いで! 私は今日の飛行機で
日本に帰らなくちゃならないんだから!」
まさか、本当にソビエトが崩壊しようとしている
とは夢にも思わなかった。
後で考えてみると、私と運転手の会話は
別の意味で成立していたのである。
空港はソビエトを一刻も早く離れたい外国人
でごったがえしていた。
つづく・・・
※図らずも、ソビエト連邦崩壊につながる、
「ソ連8月クーデター」に居合わせてしまったときのエピソードです
北キプロスのカルパス半島に生息する野生のロバたち。
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