思い返してみると、出だしはそう悪くはなかった。
私はタクシーでホテルに着いた。
すでに暗かった。
もちろん、タクシーの運転手はぼったくろうとした。
「お釣りがない」
という言う理由だった。
そんなのは、もう慣れっこだ。
嘘に決っている。
適当にやりこめて、車から降りた。
チェックインを済ませ、食事に出かけた。
(夜は1人で出歩かない方が良いです。マネしないでください)
ホテルを出てすぐ、1ブロックも歩いていないところで、老人が声をかけてきた。
日本人の年齢感覚では、80歳くらいだろうか。
(ということは、70歳くらいかも?)
杖をついて歩いていた。
「ご馳走させてください」
は?
何、このおじいちゃんは?
「どういうことですか?」
「あなたは、エジプト人ではない」
「そうですが。何か?」
「あなたにご馳走したいのです」
わけがわからない。
エジプト到着早々、奇妙な老人に出会ったものだ。
しかし、悪い人には見えない。
杖で歩く姿が演技でない限り、どこかに連れ去られることもないだろう🤔
乗ってみることにした。
老人は言った。
「どんな料理を食べたいですか」
「食べられれば、何でもよいです」
「どんなお店でもご馳走すると言っているのですよ?」
「では、一番近いお店で!」
(わけがわからないところに連れていかれてからでは遅いし)
老人が困惑した様子を見せたので、私は付け足した。
「エジプト料理を食べたいです!」
そして、一番近くの、閉店間際のエジプト料理の店に入った。
地元の人たちが食事に来る、庶民的なレストランだった。
エジプトに到着したばかりの私は、どん料理があるのかもわからなかったので、注文をお願いした。
しばらくして、1人分の料理が運ばれてきた。
1人分といっても、3、4皿はあったと思う。
「好きなだけ食べてください」
「あなたは食べないのですか?」
「私は1日に1食しか食べません」
「食べないのに、私を誘ったのですか?」
「そうです」
まったく奇妙なおじいちゃんだ。
私はお腹が空いていたので、エジプトで食べる初めてのエジプト料理を胃袋に詰め込んだ。
早くしないと、閉店してしまう。
最後に2種類のデザートが運ばれてきた。
こういう感じの甘ーいのとプリンみたいなデザートだった
おじいちゃんは、
「私はこういう者です」
と言って、名刺をくれた。
そこには、会社の名前とおじいちゃんの名前しか書かれていなかった。
「こういう者」といわれても、私にはさっぱりわからない。
このおじいちゃんは、実は有名な人なのか?
その名刺から、アブデールおじいちゃんということが分かった。
会社の名前は、スフィンクス(仮)
おじいちゃんは、14社を経営するホールディングスの会長だと言った。
(本当かどうかはわからない。エジプトで起きたことは何もかもがイリュージョンだったよう)
「困ったことがあったら、いつでも知らせてください」
「どうやって?」
「電話番号を書いておきましょう」
と言って、私の手帳に名前と電話番号、住所を書いた。
おじいちゃんは、私をホテルの入り口まで送ってくれ、
私は、
「ごちそうさまでした!」
と言い、お別れした。
到着早々、奇妙な出来事に遭遇したものだ。
奇妙ではあるが、悪い出だしではない。
むしろ、ラッキーだったと思う。
ホテルでは、あてがわれた部屋があまりにも寒く、苦情を伝えたら、最上階の良いお部屋に替えてもらえた
エジプトって旅行者に優しい国?
とすら思えたのだった。
狂いだしたのは、翌日だった。
こんな奇妙な絵を描く男と出会ってからだ。
何の絵かわかりますか?( ´艸`)
次回へつづく・・・
※記事の中の画像(最後の1枚を除く)は、その日に食べたものに近いものをお借りしてきましたが、盛り付けはもっと雑で(^^;庶民的なお店でした。味は良かったです!!
北キプロスのカルパス半島に生息する野生のロバたち。
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