「やってしまった!」
空港に着いたとたんに、そう思うことが度々ある。
10年前、地名に惹かれてやってきた、ここシャングリラもそうだった。
中国雲南省にある、チベット族自治州にあり、香格里拉と書く。
北西へ進むとチベット自治区、北東に進むと四川省のチベット族居住区にたどり着く。
ちなみに、このシャングリラという地名は、「『失われた地平線』(ジェームズ・ヒルトン著)の舞台となった理想郷シャングリラはここだ!」と政府が主張し、2002年に中甸という地名から改称したことによる。
現在は空港も立派になり、町に路線バスが走っているようだが、当時はまだまだチベットらしい、のどかな町だった。シャングリラなどと改称する前はもっとのどかだったことと思う。

町で出会った子供たち
さて、空港に降り立った。
首に絹を巻かれ、チベット式挨拶で出迎えられている人がいた。
早速タクシーを見つけようと思ったが、1台もない。
1台くらいならいたかもしれないが、だとしたら、私が出てくる前に誰かを乗せて出発してしまったに違いない。
これでは、町に出られない。
地図もない。
観光案内所のようなところも、当然ない。
客引きですらいないのだ。
「やってしまったぁ」
こうなったら、仕方ない。
空港の出口で、車が来ないか待つことにする。
近くに不安げに立っている女性が1人。
彼女は誰かを待っているようだ。
しばらくすると、前方から真っ黒なサングラスをかけた、ちょっと強面の男性が2人やってきた。
そして、「彼女はだれ?」(推測)
その不安げに待っていた、女性に尋ねた。
「彼女」とは私のことだ。
その女性は答える。
「知らない」(推測)
そして、私に「ここで何しているの?」(推測)と尋ねた。
※中国語がわからないため、すべて推測です
「タクシーを待っているの」
シンプルな英語でゆっくり答えた(ごめんなさい、中国語がわかりません)
すると、その黒サングラスの男性が私に言う。
「タクシーなんか来ないよ」
なんと、英語だった。そして続けた。
「町のどこへ行きたいの?」
「どこでもOK!」
「知り合いは?」
「いない」
「どこに泊まるの?」
「決めていない」(だって、情報がなかったもの)
「よし、一緒においで!」
ラッキー
町まで乗せていってもらえることになった。
これで途方に暮れずにすむ。
「これから、彼女の泊まるホテルに行くのだけど、宿が決まっていないなら、そこに泊まったら?」
「そうします!」
ホテルまで簡単に見つかりそうだ
そのホテルでチェックインを済ませた頃、大きなバックパックを背負った背の高い白人男性がやってきた。
私を外国人と見たのか
「このホテル、良い?」
と英語で尋ねてきた。
「ここに連れてこられたばかりで、良いか良くないかわからないけれど、しばらく滞在することにしたの」
「じゃあ、僕もここに泊まろうかな」
言葉が通じる仲間ができそうだ!やったぁ
彼は、ラルフという名のスコットランド人だった。
強面のサングラス男性、ドンのご縁で知り合った、女性はウェンハオ、仕事で北京からやってきた、と言う。
もう1人のサングラス男性はウォンといい、同じく仕事で昆明からやってきたそうだ。
右も左もわからない、チベットで、一瞬にして宿と旅仲間が現われた。
(魔法のランプをこすっちゃった)
次回へつづく・・・
旅は道づれ➁『旅は道づれ②(Discovery15)チベット』タクシーなし、観光案内所なし、客引きなし・・・言うまでもなく、公共の交通機関などない町の空港に降り立ち・・・窮地を見事に救ってくれた、強面の黒サングラス男性彼…https://ameblo.jp/sachikobridge/entry-12375301903.html
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登場人物の整理
ドン:強面の黒サングラス男性
ウェンハオ:北京出身の中国人女性
ウォン:もう1人のサングラス男性、昆明出身
ラルフ:スコットランド人男性 旅人

北キプロスのカルパス半島に生息する野生のロバたち。
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