ここは、バリ島。
1人気ままに過ごしていたが、あるときから急に登場人物が増え出し、いつのまにか旅先で出会ったばかりの4人でブラタン湖へ行くことになりました。
ところが、着いたところはキンタマーニ(バトゥール湖の畔)！登場人物の1人が勝手に目的地を変えてしまったのです。
ブラタン湖もバトゥール湖も大してかわらないから、と。
「話が違う！」とマリアンヌ相手に費用の清算が始りました。
登場人物：
ファビオ：イタリア人男性。母国ではミュージシャン
マリアンヌ：ベトナム系フランス人。職業は国際線CA。4歳の息子がいるシングルマザー
ヨーヨー：マリアンヌのお気に入りの現地青年
前回のお話はこちらです
(7) 「バトゥール湖もブラタン湖も同じ！」と言うマリアンヌ
(8) ファビオVSマリアンヌ、結果は？『ファビオVSマリアンヌ、結果は？(Discoveryバリ島８)』ここは、バリ島のウブド。1人気ままに過ごしていたが、あるときから急に登場人物が増え出し、いつのまにか旅先で出会ったばかりの4人でブラタン湖へ行くことになりまし…ameblo.jp
第9話 ここで、降りて！
気が進まないまま、私はマリアンヌと同室で一晩過ごした。
さっさと寝ちゃえば関係ないさ！ところが・・・
(読み飛ばしてOK! 話の流れとは関係ありません！)
意外なことに、マリアンヌは身の上話をしだし、私は隣のベッドで聞いていた。
マリアンヌは離婚して4歳の子供を1人で育てていると話した。
「それは、大変ね。そしたら、お子さんは今どこにいるの？」
「両親に預けてきたわ」
フランス人とはいえ、両親がベトナム人の彼女にとっては、クリスマスは冬のイベントの1つ程度のものなのかもしれない。
しかし、国際線CAとして働くマリアンヌ。
普段から仕事で家を空けることが多いのだから、クリスマスくらい子供と一緒に過ごしてあげてもいいのにと思ってしまった。
その場所が彼女が住むパリであっても、バリ島であっても。
人にはそれぞれの考えがあるし状況も異なるから批判するつもりはないのだけれど、マリアンヌが言うと批判したくなってしまうということは、やっぱりマリアンヌとは根本的に合わないのだろうなぁ。
そして、翌朝、
私たちはブラタン湖を目指すべく、ホテルを出た
今度こそ、ブラタン湖に向ってくれ～
と、ところが、
なんか方向が違う？？？
気づいたときには、バトゥール山にいた。
バトゥール山は標高1717mの活火山で1804年から2000年までに26回噴火している（画像はWikiより拝借中！）
いつの間にか、どこかで左に曲がったのだろう(pinkの矢印)
ブラタン湖へ行くには舗装されていない山道を行く方法もある。
マリアンヌが「溶岩の上を歩きたかった」からだった。
彼女は言った。
「ここ、ずっと来たかったの。あなたたちにお金を払えとは言わないから、ちょっとだけ寄らせて！」
おかしな言い方だとは思った
「お金を払えとは言わない」と言うが、そもそも費用は3分の1ずつ負担している。
マリアンヌとの交渉に破れた、ファビオと私は1.5日分負担することになった(1日1人当たり4万ルピア＝1.5日で6万ルピア)のだから、たとえ私たちがどこかに寄りたくなったとしても余分にお金などかからないはずである
ヘンだと思ったが、溶岩の上を歩くのは面白そうだし、このあとブラタン湖へ向かうのだから、マリアンヌにやりたいことを少しくらいやらせてあげても良いと思った。
溶岩のあるエリアまでは４WDで
これにはファビオも賛成し、4人は思い思いに黒い溶岩の上を歩いた。
そして、ブラタン湖へ向かった。
今度こそ！
・
・
・
・
ところが・・・
「ここで降ろしてもいい？」
はぁ？
何を言っているんだ、この人は
ファビオもマリアンヌの言っていることが理解できないでいる。
「今日の”お金はいらないから”、ここで降りてほしいの」
？？？？？
「私、やっぱりブラタン湖には行かない！ここに残る！」
それは自由だが、ブラタン湖へファビオと私を送り届けると約束して60000ルピアずつ支払わせた以上(正確には、仮払金の清算により返金)、ブラタン湖へ2人を送り届けてから戻るのが筋ではなかろうか
それを、「今日のお金はいらない」とは何を言っているのだろう？
もう我慢の限界だ！
「あなた、自分の言っていること、わかってる？」
「最初から約束が全然違う！ブラタン湖に行くと騙して、あなたは私たちをここに連れてきた
昨日の12万ルピア(ファビオと私の2人分）だって、あなたがブラタン湖まで乗せていくと約束したから支払った(正確には清算による返金)のよ！
昨日の分と今日の半日分よね？
本当なら昨日の分だけで充分だったはず。ブラタン湖に行かないなら、全額返してもらえる？」
時間もエネルギーも返してほしいわ！
「何言ってるの！今日の車代は、私が支払っているの！私の自由だわ」
はぁぁぁぁぁ？
「あなたたちが払ったのは、昨日の車代よ」
言ってることがめちゃくちゃ。
「今日のお金はもらわないって、私言ったでしょ。今日の分は私が払っているのだから、私が決めるわ」
めちゃくちゃすぎる！
「降りて！」
人のことを批判したくないが、
私は彼女の人間性に腹が立った
そして、ファビオが私に言った。
「降りよう」
え？
この炎天下、何もないところで？
「こんなところで降りたら、私たちどうなっちゃう？」
「なんとかなるさ。もう降りよう」
”マリアンヌ劇場”から“降りよう“と言っているように聞こえた。
そして、2人で降りた。
次回へつづく・・・
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