気の毒に思わなくもなかったが、
ここで1人に小銭をあげたら
全員にあげなければならない。
昼は10人程度だった子供たちも、
なぜか20人を裕に越えている。
「だから言ったでしょ。
私の後を付いて回っても何も出てこないって」
すると、年長の少年がすかさず言う。
「僕らは丸1日君に付き合ったんだ。
君の行きたいところへ案内した。
だから、君は僕らにガイド料を支払うべきなんだ。
払ってくれるまで、僕たちは君を追いかける」
「あ、そう。わかった。
そういう場合はガイド料が必要なのね」
「そうだ、そうだ」の大合唱。
「私、今日1日、君たちの前を歩いてきたのよ。
ガイドだったら、ガイドらしく
私の前を歩きなさいよ。
今日、君たちのガイドをしたのは、私よ」
「君は外国人だ。君にガイドができる訳がない」
と反発するリーダー。
「外国人が寄りたいお店と食べ物の嗜好が
よくわかったでしょ。
早くガイド料をちょうだい!
払う気がないなら、さっさと私の前から消えて」
すると彼らは円を作り、何やら会議を始めた。
アラビア語なので、
何を言っているのかさっぱりわからないが、
もう付き合ってられないわ、と立ち上がったところ、
「ちょっと、待て」
とリーダーに引き止められた。
よく見ると、コインを差し出している。
「ガイド料を払うよ」
差し出したコインなど、受け取れるわけがない。
家に持って帰るよう説得したが、
彼らは引き下がる様子もなく、最後には
「プレゼントするよ。またマラケシュに来て」
と言い残し、方々へ散っていった。
私はこの体験を今でも時々思い出す。
30年近く前の出来事である。
北キプロスのカルパス半島に生息する野生のロバたち。
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