お椀のような器になみなみと注がれた乳白色の飲み物は、
馬乳酒(アイラグ)でした。
この季節(夏期)ならではの飲み物です
アルコール度数こそ低いものの、強い酸味があり、独特の匂いもあります。
「お酒」でなく、「飲み物」と表現したのは、
こちらでは、子供から大人まで日常的に飲む「乳飲料」という位置づけだからです。
今日(と明日)は、
この馬乳酒の作り方に迫ってみたいと思います
なんて、そんな大したものではないですが・・・
おつきあいくださいませ~
さてと、
まずは、馬乳酒づくりに絶対に欠かせないものをとりに行ってきます!!
ん?
絶対に欠かせないもの???
ま、まさか!?

そうです
その、まさかです!!
だって、ここは牧場ですもの
搾乳の準備が始まりました
牛と違って馬の搾乳は危険だから、
これ以上近づいちゃダメと言われてしまいました
これらの写真は、乾燥地帯の遊牧民宅でお世話になったときのものですが、草原の遊牧民宅でも同じことを言われました。
「これ以上近づいちゃダメ」
搾乳の方法は全く同じでした。

1)最初に馬の足をロープで縛って、
動けないように固定します
馬が搾乳者を蹴飛ばしたり、
急に暴れだしたりさせないようにするためです。
2)それから、ロープに繋がれた子馬が連れてこられます。
母馬が春に産んだばかりの子馬です。
3)子馬が、母馬からミルクを吸います。
こうして、お乳がでてきたところで・・・
4)子馬を引き離し、人間が搾乳するのです
名付けて
お乳横取り搾乳!!
なるほど。
母馬を縛り付けておくわけだ・・・
私が母馬だったら、蹴らない代わりにお乳を止めてやる~
牛と違って、
馬は1回に搾れるれる乳が、コップ1杯分
とかなり少ないため、
この作業を2,3時間おきに行います
馬乳をとるのって大変なのねΣ(・ω・ノ)ノ!
時間がくると、雨の中でも搾りに行ってました
生計かかってますものね。
雨だから、乳しぼりは中止!なんてことはないのです。
私など、「傘がほしいなぁ」「外に出たくないなぁ」
なんて思ってしまいましたが
”お父さん”は帽子を被り、
”お母さん”はスカーフ1枚を頭に巻いて、
黙々と乳しぼりに出かけるのです。
よし、私も行くか!
スーツケースの中に、
傘もレインコートもあるけれど・・・
「私にもスカーフを貸してください!」
とお願いしたら、喜んで貸してくれました。
※どこの民族訪問でも、できるだけ同じ格好か近い格好になるよう心掛けています!
雨の中、
馬の搾乳(見学)GO!です

搾りたての馬乳は、ホットミルクのように温かかったです。
表面が泡がぶくでバニララテみたい
ちなみに、どんなお味かというと・・・
こってりと甘いです
美味しかったぁ~
こちらの牛乳は日本の牛乳よりずっと薄く、
私には甘みの強い馬乳のほうが美味しく感じられました。
ところで、
搾乳するのは、どちらの家庭でも、
”お母さん”の仕事と決まっていました。
牛の搾乳は他の家族も行うけれど、
馬だけは必ずお母さんがするのです。
いつも同じ人がすることによって、
多少なりとも馬が安心するのかな。
馬の乳は搾りにくいから、慣れた人がするのかな。
モンゴル遊牧民の牧場から
馬の乳しぼりのレポートでした~
*****
今回の旅では、
草原地帯の一家と砂漠(乾燥)地帯の一家
2家族のお世話になっていますが、
生活スタイルはかわらないので、
重複する部分は1つにまとめ、紹介しています。
*****
もし、お手間でなかったら、
私にとっては、とっても懐かしい風景、
初めて見る方でも、気持ちが大きくなる「草原の朝とゲル」
をクリックして、このブログを応援してください
人影は私です足が長いでしょ
応援ありがとうございます♥
今日も最後までおつきあいくださり、
ありがとうございました♥