ジャングルからやってきた小猿(Destinationsボルネオ島5)

ケラビ族に会いたい!とボルネオ島を訪ねたことがあります。

日本を発った時点では本当に会えるのかわかりませんでしたが、願いはスイスイ叶って、スー(70代女性)の家に居候させてもらいました。スーとの出会い

* * * * * *

カブトムシの幼虫を食べるの?

衝撃を受けてしまった方、普段の食事はこんな感じです矢印

お肉、野菜、ご飯をバランス良く食べます。

他のお宅を訪ねたときも同様でした。

野菜のかわりに火の通ったマンゴーが出てきたことがあるくらいで、肉食に偏っていることもなければ、菜食ということもありません。この地域は良いお米がとれるそうで、主食はお米です。

* * * * * *

スーが話しかけてきました。

「Kさんの家に小猿がやってきたよ」

「見たい!」

「今キッチンにいるよ」

ロングハウスに住む人々のキッチンは、半プライベート、半共有状態で、特に鍵もなくドアもありません。

ドアはあっても簡易なものです。

Kさんは、同じロングハウス内に住む老夫婦です。

現在息子一家がクリスマスのために帰省していて、私はその一家と幾度か話したことがありました。

(あの囲炉裏も実はKさんの家のものです)

以上から判断すると・・・電球

キッチンに上がらせてもらっても、問題なさそうキラキラ

「今朝ジャングルからやってきたんだよ」

「へぇ~」

ますます興味がわいてきましたキラキラ

「Kさんのキッチンに行ってきま~すキラキラ

「このミカン1つもらっていい?」

「いいよ」

テーブルの上のミカンでも持っていこうと思う。

・・・食べるのか知らないけれど苦笑

こんないきさつで、私はスーの家を出た。

そして、ここはKさんのキッチン

シーン

(だれもいない)

お猿さん逃げちゃったのかな…

キッチンを見回す私

ん?

きゃーっおーっ!

お、おさるさんが首から吊るされている

銃の球があたったところから血が流れ、手足をダラーんと伸ばした小さなおさるさんが、窓際に。

そういうことか!電球

私は、ありったけの祈りを込めて十字架 おさるさんとお別れをしました。

私が村を発つ前日のことでした。

あともう少し滞在が長かったら、

「一緒にどうだい?」 となっていたに違いありませんあせる

* * * * * *

私はどこの国、どこの地域へ行っても「郷に入りては郷に従え」を実践していますポイント

でも、もしかしたら、あのお猿さんに関しては、あの姿を見てしまったで、そのお肉を口にすることはできなかったかもしれません。

いや、彼らの風習を尊重して、食べたかもしれません。

・・・わかりません。

お猿さんを仕留めたのは、Kさん(の帰省中の息子)ですが、彼の奥さん(クアラルンプール出身)は涙を流しながら、話します。

「あんなに小さな猿を殺しちゃうなんて。手だって、足だって人間の赤ちゃんと変わらない。信じられない」

自分の夫が小猿を仕留めてきたことを理解できないでいます。

(すごく、わかる・・・)

「ジャングルにいる動物はイノシシだって鹿だって、皆でありがたく分け合うもの。仕留めて何がいけない?」

(そのとおり・・・)

一方が正しくて一方が間違っているということはないですよね。

そう感じるなら、それは「自分の物差し」で物事を見ているにすぎないと・・・。

でも、大切な家族との間で文化や風習による摩擦が起こってしまうと、感情が入ってしまうし、相手を理解したいからこそ大変なんですよね。

いろいろ考えてしまった、1日でした。

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北キプロスのカルパス半島に生息する野生のロバたち。

ニンジンをあげると喜ぶんです!

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